2007年11月16日金曜日

「吉兆」さん.....

天気予報によれば、
週末は寒くなり長野でも北部地方や山沿いでは
雪がちらつくところがあるかも.......とか.....
蓼科は日中も冷え込んでいて、
すっかり冬の装いです.....

今、食品表示偽装などがいろいろと
取り上げられています。
日本を代表する料亭の「吉兆」でも、
連日のように問題が次から次へと..........

この「吉兆」さんの創業者でもある
故湯木貞一さんがこの事態をお知りになったら、
怒り、嘆かれるのではないでしょうか........

1997年に96歳でお亡くなりになられたとき、
ご縁があって勤めていた病院で
看護をさせていただきました。

穏やかな方で......愚痴らしき事を
聞いたことがありませんでした。
いつも口元に笑を浮かべていらっしゃるような方で
点滴する手を出されるたびに、
「柳のような腕でっしゃろ.....」っと......
船場言葉で....私たちのほうが癒されるようでした。

茶道の心と日本料理を文化として伝え....
お店の儲けを美術品の購入に当て、
それらをお客様のおもてなしとして
惜しみなく使い、またそれらが社会還元へと
つながると考えていらっしゃったようです。

四季折々旬のものを
それこそ五感で食せるようにとの心遣いが
一流へと「吉兆」の名を広めたのだと思います。

風流で愛情深かった湯木さん......
それ故お子さん全てに暖簾分けをしていたのに...
(お孫さんの事も考えられていらっしゃいました)
湯木貞一さんの心を受け継がずして
「吉兆」の名を語って欲しくないと憤慨しているのは
私だけではないと思います。
本当に残念です............

「吉兆」という暖簾に胡坐をかいているのではなく、
驕り高ぶりを捨てて、一から先代の精神を
学んでもらいたいと強く願っています。
(なべこでした)

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